黒の国の王子と青き国の王子 66話

R18表現を含みます。


苦手な方は70話






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 西日がカーテンの引かれた窓から微かに差し込んでいる。その光でも十分に室内は見渡せる。

「い…あっ、もぅ!」

 泣きそうな声でエリアスが前へ這うように逃げ出そうとすると、後ろから覆いかぶさるようにしているルドヴィークは「悪い子だ」と言って意地悪く中に入った指でしこりのようになったそこを押し上げる。そうされるとエリアスはどうしようもなくて、上がりそうになる声を必死に堪える。

「っ、………ッ!」

 エリアスはルドヴィークの部屋に連れ込まれると、魔法のようなルドヴィークの手管であっという間に服を乱され、今では二人とも一矢纏わぬ姿だ。寝台が軋むような音を立てるだけでいたたまれないエリアスは、なぜこんな事になっているのか、まだ頭がついていっていない。

(こんな、発情期では無いのに…)

 ルドヴィークに触られた身体は綻び、熱に浮かされたように力が入らない。それでも震える腕でルドヴィークから離れるように寝台を進むと、それに合わせて今度はずるりと後ろから指が抜ける。

「は…っ」

 それにさえ熱い吐息が漏れるが、ルドヴィークの方は震えるエリアスに容赦などする気はないらしい。

「今は発情期ではないから後より前の方がいいかい?ほら…」

「…ぁ」

ルドヴィークは容易くエリアスの身体を仰向けにひっくり返すと、足を折りたたむようにする。

「ル、ドヴィーク………やめっ」

 そうされると全てを彼に晒すような形になり、膝を閉じようとするが、それよりも早くルドヴィークが身体を割り入れてきて閉じることは叶わない。

 発情期の朦朧とした時よりも、熱に浮かされながらも格段に鮮明な意識はエリアスの羞恥を呼び、泣きそうになる。

『はな……て、っぁ」

 優しく膝にキスをされて、それだけで痺れるような快感が走る。ルドヴィークはエリアスの身体中にキスをして、そうされると自分を酷く大切にされているような、そんな気持ちになってしまう。

「どこも可愛らしくて、どうしようもないな…」

 そうルドヴィークは言うと、エリアスの腰の下にクッションを挟み込む。そうしてから、自分はエリアスの膝にもう一度キスを落としながら、そのまま足の付け根に顔を落としていく。

「やだ…!だ、め!」

 すぐにルドヴィークのそれに気がついたエリアスは慌ててルドヴィークを止めるが、透明な蜜を溢しながら震えるそこに軽くキスされるだけで身体がびくりと反応してしまう。

「………ゃ、やめ、て」

「なぜ?さっきも気持ちがよかっただろう?」

「ぅっんン!は………ッ!」

 先端の膨らんだ部分をかぷりと甘噛みされると、腰に震えるような快感が広がって、とっさにエリアスは手で口元を覆った。

 かろうじて声を抑えたエリアスに、覆いかぶさる男は容赦する気も無いようだった。今度は悪戯するようにルドヴィークはペロリと舌を出すとそっとそこに押し当てる。

「ぁ………」

(ルドヴィーク、が…)

 パーティーに出れば皆の視線を一瞬で集めてしまうような美しい男が、今は自分のそこに舌を当てている。それはひどく隠微な光景で、エリアスは息を飲む。

そして、次にやってくるだろう感覚への期待に甘く腹が疼いた。

「…ふ」

 しかし、ルドヴィークは動いてくれない。エリアスと瞳を合わせたままいたずらに笑みを浮かべているだけだ。

「ぃ、や…」

 意味もなく吐息が漏れて、恥ずかしくもそこの先端からは新しい蜜が流れる。先ほどまでいじられていた後の花弁もエリアスは気がついていないが男を誘うようにひくひくと蠢動している。

「ここを私が食べてあげたら、とても気持ちがいいだろうね」

 そうルドヴィークが言うと喋る振動と吐息でエリアスの腰が跳ねる。もう限界まで張り詰めたそこは、きっと後少しの刺激で達することができるというのに、長くそれを延ばされてエリアスは無意識に腰が揺れる。

「ふふ。可愛いね。私の口に出せる?」

「ぇ…?あ、いやぁ、あっ!」

ルドヴィークに言われたことを理解する前に、そこは熱い口腔に包まれた。

 



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